数十年越しの仕事まだ子どもたちが小さかった頃 私は、ある仕事に就きたくて一生懸命に勉強した。 …私は幼い頃、家にあった人体の図鑑をよく眺めていた。 体の仕組みや病気のことなど豊富な絵で書かれた図鑑は それと同じものが自分の体にある不思議さを感じながら 愛読書のように毎回眺めていた。 しかし、小学校に上がると勉強という苦手なものがやってきた。 それと同時にいつしか図鑑のことも忘れていった。 子どもの頃に体験したことは体の片隅に片鱗として残っているのだ。 大人になった私は再び図鑑のことを思い出した。 医療に携わるほど頭は良くない。でも、好きなのだ。 そして、それに負けないくらい動物も好きなのだ。 将来は何か人に役立つことがやりたかった。 獣医も夢見たがそれとなる指標も手段もなく ただの夢で終わってしまった。 私の中では、子どもがいてもずっと家庭にとどまるという選択肢はなかった。 長く続けられる仕事、やりがいのある仕事がしたかった。 当時、医療ドラマが流行っていたこともあり病院で働きたいと思うようになった。 そして独学で医療事務の勉強をした。 週末は子どもを預けて一日中図書館で勉強をしまくった。 当時、まだできたばかりの資格だったが今や医療事務の最高峰といわれる資格にも合格した。 さぁ、準備は整った。 そして私は最高峰の資格を引っ提げて クリニックの門扉を叩いた。 しかし、どこも門前払い。資格のことなど全く知らない医師たち。 経験者&専門学校卒業が条件。 いくら最高峰の資格を持っていようが、頑張ろうが私は働けない職業だったのだ。 泣く泣く諦めるしかなかった。 今では信じられないが当時はそんな理不尽な時代だったのだ。 あれから数十年、もう一つの念願だったペットの仕事にも就くことができた。 しかし軌道に乗り始めたころ突然会社が事業を撤退したのだ。 突然職を失った私は早急に次の仕事を探し始めた。 生活がかかっているのだ。じっくりと吟味している暇はない。 そして近場で事務の仕事を見つけた。病院だ。 しかも医療事務ではないらしい。 派遣会社からの募集ですぐに問い合わせた。 幸いに近日に登録会があるとのこと。 登録から就業までトントンと話が進んだ。 ふたを開けてみればなんとあの時に私がやりたかった仕事だったのだ。 当時はもちろん業界ではそのような職業は無く 10年ほど前にできた職種だそう。 数十年後に就けた仕事。 なんだか仰天ニュースになりそうな話だが 嬉しいというより今更感のほうが強く複雑な気持ちだった。 なんだかなぁ・・・ 遠回りする星の下に生まれたのか。 でも・・確実に夢は叶っているのは事実。 感謝せねば。 |